猫団DDオンライン

ド ラ ゴ ン ラ ン ス
竜槍戦争本編

第1章:廃都の黒竜

第1話「再集結の約束」


これは、オンラインのドラゴンランスのリプレイです。同時期同世界で扱うオフのドラゴンランスとストーリーも密接に関わるので、このオンラインによる話も参照しやすいようリプレイにしました。

猫団PCたち  PC名(プレイヤー名)/種族(背景)アライメント、クラス・レベル。
ファイクハイト(TAO) ヒューマン(辺境育ち)混沌にして中立
・ローグ1/ウォーロック4
ペテルギウス(てまだ) ヒューマン(ソラムニアの騎士)秩序にして善
クレリック(規律)5。
ベライオス(NOMU) ヒューマン(ソラムニア騎士)秩序にして善
パラディン(復讐)5
ラオ(ごしま) ヒューマン(上位魔法の塔の赤魔道士)真なる中立
ソーサラー5 

主なNPCたち

  マタール  人間女性の戦士。猫団結成時から自らリードして率いていたリーダー格の女性。最初から5LVくらいだった。
ティカ 猫団の行きつけの「憩いの我が家亭」のウェイトレス。
  オティック 憩いの我が家亭のオーナーで、料理人。揚げじゃががウリ。
ゴールドムーン 青水晶の杖(ブルークリスタルスタッフ)を持つ、東の平原ケ=シュ族の長の娘。彼女との邂逅が、その後の猫団の運命を変える。
  フィズバン たまに憩いの我が家亭に顔出す、不思議な老人。謎めいた言葉を発して物語を聞かせたりする世捨て人のようだが、猫団をある場所に行くよう諭す。
  エリスタン いなくなった神々の代わりに、新しい神を探す(シーカー)という教義から生まれた新興宗教のシーカー教団の司祭。猫団には一定の理解があり、かつてソレースの仕事を依頼したりした。
  ヘデリック エリスタンと同じシーカー教団の司祭。だがこちらは傲慢で猫団のような冒険者は信頼していない。
トード 本名ヒューマスター・トードという、ホブゴブリンの軍団長。ソレースの近郊で青水晶の杖を捜索していた。
テロス 本名テロス・アイアンフェルド。ソレース村という田舎にしてはかなり腕のいい鍛冶屋。猫団もここの武器屋をよく利用する。
ヴァルミナルド 一年前、猫団がシーカー教団のヘデリックをこっそり見張る中、巨大な赤竜の乗って現れた謎の仮面の重装戦士。彼は何者なのか、まだわからない・・。

ここは神々が去っていく世界。

かつては人間が神々に等しい力を得たと傲慢し、それに怒った神々はその人間の帝国を海に沈めたりした。そしていつしかこの世界を、神々は見放したのだ・・。

だが残った神の一人は、その世界を我が物にしようとしていた・・。




■それまでの経緯


これから話を進める前に、主人公たちが所属する猫団の成り立ちの話をしなくてはならない。
それは一年前に遡る。


まだ彼ら4人(pc)が駆け出しの冒険者(レベル1)だった頃。アンサロン大陸の北にあるソレースという小さな村に彼らPCは集まっていた。


木々の上に家がある、元エルフの村ソレース。

4人で何か小さな仕事から成し遂げようとしていた時、現れたのがマタールと名乗る女戦士だった。彼女はちょうど村が巨人に襲われて困っているので、討伐してほしいという依頼を受けていたが、独りでやるには困っていたのだ。そこでマタールとPC4人はパーティを組むことになり、マタールは愛称でキット(猫)と呼ばれることもあるので、ここで初めて「猫団」と名乗ることになった。

・・こうして始まった猫団は、じつに様々な冒険をこなした。

最初の冒険、森の巨人退治では、森の中で出会ったケンダーのツイルという男が、家に巨人が居座っているとの報を聞き、行ってみると地下室で暴れているオーガを倒す。・・ただ、そのケンダーは自分の家ではなく、ただ「誰もいなかったので借り暮らし」していただけなのだったが・・。(1LV)


その家の「本当の」主人である、エルフ女性の魔法使いスティービィが憩いの我が家亭に現れ、猫団に依頼をする。それはあのケンダーのツイルが、自分の留守中に転移の鏡をくぐってしまい、その転移の力の源であるクリスタルをもったまま別の場所に行ったので、そのクリスタルを取り戻してほしいという。行った場所は、とっくに廃墟となっていた森の外れのタングルウッド砦であった。
猫団は砦に向かい、そこにいるアンデッドらを駆逐しつつ、ケンダーのツイルを見つけて、なんとかクリスタルを取り戻したのであった。(2LV)


さらに猫団は、シーカー教徒のエリスタンの頼みで、馴染みのソレース村の空き家の木の探索もしたりした。今ではシーカー教団が治めるこの村は、もともとエルフのものだったため、木の上に家がある変わった造りだった。その空き家では、持ち主だったドルイドは死んでから、仲良しだったドライアドがさびしさのあまり闇落ちして暴走し、ドライアドが操った植物たちが暴れだしていたのだった。(3LV)

もう一人のシーカー教団のヘデリックからも、依頼を受ける。シーカー教団は現在君主のいないソレース村を治める立場でもあった。その村への輸送物資がゴブリンらに襲われたらしい。
そこで襲撃現場から、ゴブリンの足跡を見つけ、追いかける猫団。それは岩場の洞窟へ続いていた。だがその洞窟はすでに死んでいるネクロマンサーの研究所でもあったのだ。そこで見つけた研究ログから、どうやら死体を集めてドラゴンを造ったという記述が見えた。遥か昔の伝説だけで誰も見たことがないドラゴンを作ったというのは、ヘデリックはそんなことがあってはならないことと言い、ただちにその真偽を確かめるよう猫団に依頼した。

そのネクロマンサーの実験場は、かなり東の湿地帯ザク=カランにあった。はるばるそこまでやってきた猫団は、そこにあった酸だらけの洞窟で、人体実験されたらしいオーガらと出会う。そして最奥には、それらオーガとドラゴンの皮(ドラゴンスキン)を移植させて合成させた、巨大なドラゴンスキンのドラゴンと戦い、これを倒す。

洞窟から出た時、ヘデリックが彼らを出迎えるが、「忌まわしいここを封印しろ」と部下に叫ぶ。それだけ、シーク教団には禁忌なものだったのだろうか?
怪しんだマタールと猫団は、こっそり別れた後のヘデリックの様子をうかがった。すると、なんと上空から巨大な、本物の赤竜が現れ、そこに優雅に乗っていた謎の重装の仮面の男と会っていたのだ。
ヴァルミナルド」という謎の男は、ヘデリックにここを完全に焼却するよう命令すると、そのまま竜とともに上空へ飛んで去ってしまった・・。

それから、本物の竜を見たマタールは、猫団はいったん解散して、お互い切磋琢磨してからまた再会しようと提案した。どうやら竜を見て何か心を入れ替えたようだったが、猫団全員も、今のままでは力不足なのは確かなので、納得するしかなかった。
そして猫団は、一年後の再会を約束し、それぞれの道へ去っていたのだった。


■帰郷 ソレース近郊


あれから1年後・・。それぞれの思いでソレースの憩いの我が家亭で集まる約束を果たすため、戻ってくる猫団たち。

だがこの間にソレースも様変わりしたようだ。ソラムニアから船で北から来たペテルギウス(てまだ)とベライオス(nomu)のソラムニア騎士二人がソレースへ向かう途中、ホブゴブリン軍の集団に出くわす。こいつらを率いていたのは、トードというホブゴブリンであった。


彼らはどうやら必死で青水晶の杖というものを探しているようだった。
そんな要求を断ると、トードはPC2人を捕らえるよう命令し、自分はとっとと引き返していずこへと去ってしまった。

その後道中、反対側の闇の森方面から来たファイクハイト(TAO)とラオ(ごしま)と合流し、かつての猫団が揃いつつあった。
ファイクハイトは自然の異変を感じつつ森でのサバイバルで一年を過ごし、一方ラオは上位魔法使いの塔で強力なファイアボール呪文を修行して得たばかりであった(5LV)。

そんな彼らがソレースへ進む途中、多数のゴブリンらと戦っている平原人の女性がいた。当然助ける側は女性というわけで、彼らの間に乱入してゴブリンらを撃滅させる。


助けた女性は、名をゴールドムーンといい、ここより東に広がる平原のケ=シュ族の族長の娘だという。そして彼女は、なんと特徴的な青水晶の杖を握りしめていた

平原人
ここでは、人間で東に広がる広大な平原に住む民たちをいう。バーバリアンやファイターが多いが、普通にクレリックもいる。ケ=シュ、ケ=テリ、ケ=テといくつかの部族毎の村がある。未開に見えるが普通の人間民であり、白人種である。バイキングの平原版という感じか。

平原人がなぜこんなところに?と聞くと、どうやら彼女には恋人の同郷の平原人がいたのだが、結婚の許しを得るために、父である族長からこの青水晶の杖をザク・ツァロスというはるか東の遺跡から持ってくる試練を課されたらしい。彼は無事にその杖を村へ持ち帰ったのだが、その杖の力を目の前で試そうとしたが、なぜか何も起こらなかった。
怒った族長は、彼を村から追放しようとしたが、ゴールドムーンとその恋人は抵抗した。だがそのとき、杖の不思議な力が働き、ゴールドムーンだけはそこから転移して、このソレース近郊へ一人飛ばされたというのだ。その時、目の前の恋人が村の男たちに殺されたようだった。しかし彼女は悲しむ暇もなく、ゴブリンに襲われたという事らしい。

猫団とゴールドムーンの一行はついにソレース村へ辿り着いた。だが入り口では村を治めているシーク教団の兵らが、青水晶探しに検問をかけていた。なんとか杖の存在はごまかしたが、それにしても一体彼らはなぜそんなに青水晶の杖を必死になって探しているのか、持ち主のゴールドムーンさえもわからなかった。

■憩いの我が家亭にて

なんとか村に入った一行は、ゴールドムーンの杖を隠すことにして、行きつけの店憩いの我が家亭へ入る。一年ぶりの客達に、ティカオティックは心温かく出迎えてくれた。そこそこ他の客もおり、繁盛はしているようだったが、それでもシーク教団がいつのまにか我が物顔にしているため、その不平の噂でいっぱいだった。

さっそくの再会を祝して乾杯する猫団だったが、のっけからティカから残念な手紙を受け取る。あのマタールがここへ来ないというのだ。手紙によると、どうやら新しい士官先を見つけたらしく、それで忙しいのだとか。猫団の一番頼りなメンバーの欠員は、早くも暗雲立ち込める展開であった。

ともかく、まずはその青水晶の杖を持つゴールドムーンを、どこか別の場所まで護衛しなくてはならない。ここにいてはシーカー教団に捕まるだけであった。一つ頼れる場所者といえば、かつてシーカー教徒の中でも、猫団に理解のあったヘデリックに会うことだ。だが彼は今、どうやらはるか東の都市ヘイヴンで教えを広めているらしい。そこを目指すのが筋か?

だがそうこうしているうち、一つの騒動が起きてしまう。、フィズバンと名乗るとんがり帽の老人が、酒場にいた少年から「ヒューマの英雄の昔話をして」とせがまれ、老人は喜んで古きソラムニア騎士のヒューマの話をしだした。


「むかしむかし、あるところにヒューマというソラムニアの騎士がいた。そう、『頌歌(しょうか)』に出てくるあのヒューマだ。彼は日頃からパラダインという善なる竜の神に毎日祈りを欠かさなかった。ある日、森に狩りに出かけたヒューマは立派な鹿をみつけ、射止めようと追った。だがその日差しを浴びてたたずむ鹿の姿に、殺すのが惜しくなったのだ。そのうち鹿は、まるでヒューマを導くかのように森の中へと誘った。そこは、かつてヒューマの先祖が眠る故郷じゃったのだ。ヒューマはパラダインに感謝した・・」

そこまで言ったとき、たまたま酒場に来ていたシーカー司祭のヘデリックが、「冒涜だ!」と怒りを露わにした。彼らシーカーにしてみれば、古い神は皆去ったので、民を見捨てた「邪神」なのであった。その話をすることも禁則事項なのだった。

ヘデリックはフィズバンを押さえようとしたが、老人はひょいと避ける。ヘデリックは転んでしまい、しかも運が悪いことにその先には暖炉があり、ヘデリックの片腕がついその中へ突っ込んでしまい燃えてしまう!

だが猫団たちが制止したにも関わらず、ゴールドムーンが躍り出て、青水晶の杖をそのヘデリックの腕に接触させた!すると火傷でただれたヘデリックの腕は、みるみる治ったのだ!

だがヘデリックはこの行為に礼を言うどころか、「じゃ、邪悪な力による治癒をするなぁ!」と逆切れを起こし、シーク団の兵たちに猫団全員を捕らえるよう叫んだのだ!


酒場はおかげで大騒乱となる。猫団はシーク兵たちを撃退したが、どうやらヘデリックは真っ先に逃げ出し、ホブゴブリン軍団が代わりに彼らを捕らえようとやってくるようだ。

さらに老人フィズバンが、突然真剣になって猫団に言う。「その娘を連れて、ザクツァロスへ行くのだ!」
それだけつぶやくと、次にはヘデリックたちに振り向いて「おい、杖を持つお尋ね者はこっちだぞう」と煽る。

 危機一髪の猫団だったが、ティカが酒場の台所にある地上への緊急脱出口を開けて、逃げるよううながす。そのおかげで、ホブゴブリンたちが木を登って酒場に進軍する中、猫団たちははしごで下の地面へこっそり逃げだすことに成功した!

ついにソレース中にお尋ね者になってしまった猫団。だが鍛冶屋のテロス・アイアンフェルドが、入り口はシーカー団の兵によって封鎖されているので、湖にあるボートを使って逃げろと助言してくれた。

■川下りから、闇の森にて

ホブゴブリンたちに見つけられてしまい、あわててボートに乗る猫団。敵の弓矢をかいくぐり、ようやくボートを漕ぎ出して湖上へ。



無事ソレースから脱出するが、まずはそのまま川下って下流へ向かい、その後ヘデリックいるヘイヴン目指して行くことにした。

だが闇の森が広がる川を遡行中、3日目のキャンプをするため川岸へ上陸する猫団。だがいつのまにか、森から現れた森エルフ(クオリネスティ・エルフ)たちに囲まれる

エルフたちは森の奥へ一緒に来るよう言う。抵抗するには多勢に無勢だと見た猫団は、大人しくついていくことに。


森の奥では、ケンタウロスを数人従えた立派な牡鹿がいた。この鹿こそが「闇の森の長」らしい。

その鹿は、青水晶の杖をみると、今すぐザクツァロスへ行き、ミシャカルの神殿へ杖を捧げ返しなさいと助言する。それによって、善き道が開かれるという。あのフィズバンも言っていたし、そこへ行きたい猫団だったが、あまりにもこことは正反対の東であり、もはや敵軍の進軍より間に合いそうもなかった。

そこで森の長は、猫団に空飛ぶペガサスを数匹貸してくれるという。これで空を飛んで行けるのだ!


もはやそれ一択しかないというわけで、ペガサスにのって、今度は平原を突っ切りはるか東へ!
ザクツァロス手前の山脈にあるフォーセイクン峠の入り口まで、ひとっ飛びだった。

■峠を越える


空を飛んできたが、さすがにここからは歩きとなる。険しい山道での遭遇に苦労する猫団。


ソレース村を脱出して8日目。峠にあるドワーフ遺跡にてアウルベアと遭遇し、なんとか撃退する猫団。
この峠を超えれば、目指すザク・ツァロスはもうすぐだ(つづく)

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