DD猫団リプレイ
ウィッチライトの彼方へ
第1話「8年越しのサーカス」
猫団メンバー(1LV)
クロ(TERA) | 幻夢境の猫(地球猫) 地モンク1 フェイワイルドの迷子 AC15 hp9 受動知覚12 |
なくしたもの 身長。全長7.5cm減り、成人猫なのだがどうみても子猫である。 |
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ロクゴロウ(TAO) | ハーフエルフ ドルイド1 異邦人 AC16 hp9 受動知覚16 |
なくしたもの 秘密を守る能力。隠すことができずすぐにしゃべってしまう。 |
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モリフキン(nomu) | 人間 ローグ1 賢者 AC14 hp9 受動知覚12 |
なくしたもの 笑みを浮かべる能力。彼は決して笑わない・・。 |
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ラオ・マオマオ(ごしま) | 人間 ウィザード1 異邦人 AC12 hp7 受動知覚12 |
なくしたもの 大切なフィギュア。転売はされてなさそうだ。 |
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カイキ(てまだ) | 人間 バード1 ウィッチライトの裏方 AC13 hp8 受動知覚14 |
なくしたもの ファッションセンス。斬新すぎた・・。 |
●8年に1度のサーカス
ここフェイルーンの地に、他次元界から8年に1度やってくる不思議なサーカス団がある。
その名は、ウィッチライト・サーカス。
空から馬車団としてやってきて、森を魔法で切り開いて広大な空き地を作り、そこに巨大なサーカスを設置するのである。
サーカスへはチケットを払えば訪れた誰もが楽しめる。だが8年前、何もわからず、煌めく色とりどりの光や楽しそうな音にあこがれてついサーカスの中へ侵入してしまった子供たちがいた。
そしてこの子らは、サーカスから帰った時、何かしらのものを一つ無くすことになった。
これは、そんな彼らの8年後の物語である・・・。
■マドリックの依頼
ロクゴロウ(TAO)、モリフキン(nomu)、ラオ(ごしま)は、幼馴染であり、地元でずっと遊んでいた仲である。
そして彼らは、8年前にそのウィッチライトサーカスに迷い込んだのであった。
彼らはその後の8年間、無事帰ってきたものの、いろいろなものを「失くして」いたという記憶が忘れられなかった。実際、彼らはそれぞれ、何かをあのサーカスに迷い込んで以来、なぜか失くした記憶だけがいつもあったのだ。
そんな経験を知ったウォーロックのマドリックは、冒険者となって成長した彼らに一つの依頼を出した。
フェイワイルド(妖精界)のプリズミーアという領界に入り、そこを治めているアーチフェイの身に何が起きたか探ってきてほしいという。
そのアーチフェイの名はザビルナ。
彼女はウォーロックであるマドリックの契約相手であるが、ここ数年音信不通だったのだ。
マドリックは人生で蓄財したマジックアイテム等を報酬として、もうすぐ来る妖精界からのウィッチライトサーカス団に入り、そこを経由し、なんとかプリズミーアに入るのが手っ取り早いと考えていた。
二つ返事で、彼ら三人は承諾したのであった。
■サーカスの元迷子たち
ウィッチライトには、もう二人の元迷い子らがいた。
一人は、今や小道具係として働いているカイキ(てまだ)。8年前にサーカスに迷い込み、そのまま身寄りがなかった彼を小道具の親方が引き取って弟子にしたのだ。
そしてもう一人、いや一匹は猫。その名はクロであった。もともとは別世界から来たこの猫は、いつの間にかこのサーカスに迷い込み、8年間ここの野良猫として彷徨っていたのだ。
●チケット売り場での出会い
8の字が特徴的な、ウィッチライト・サーカス。
さてマドリックの依頼でプリズミーアに向かうためにやってきた三人は、同じく幼馴染でファッションセンスを失くしていたスタッフのカイト、そして迷い猫で全長が縮んで子猫のままののクロと入り口で打ち解け、同行することになった。同じ失くしたもの探す同士として。
・・・こうして、5人は妖精界へ目指すことになる。彼らには猫がいるので、その名は「猫団」としたw
サーカスのチケット。下部に8つの★があるのは、8回アトラクションに使えるパンチ穴用である。実際今夜限りのサーカスなので、全部は回れない。
●落とし物係
広いサーカスなので、それぞれ手分けしてアトラクションへ向かうことにした猫団。
なにせ、今宵限りのサーカス。時間は限られている。つまり8時間で探らなくてはならない。
まずラオ(ごっしー)がなにはともあれ「なくしもの」を探すには・・というわけで入り口手前にある「迷子・遺失物取扱所」へ。
そこにいたのは、迷子を世話していたダーラ・グローンという、蝶の羽根を生やしたディスプレイサービーストであった。
8年前の失くしものについてはさすがに彼は知らないが、様々な世界を旅回るこのサーカス団のため、それを探すのは並大抵ではないという。実際ダーラもまた、どこかに息子を失くしたままなのだ。諦めてほしいともいうが、その時、迷子の一人がダーラの目を離した隙に外へ行ってしまう。
サーカスの人込みに紛れ込んだ子供を、猫団はすかさず持ち前の知覚で助ける。礼を言うダーラは、猫団が妖精界へ行くには、やはりサーカスのオーナーであるウィッチとライトの二人に合う必要があるという。この二人が、サーカスの行先を決め、管理しているという。それには、二人によほど印象ある行為して、目をつけらせる必要があった。
●シルバーソング湖
中央のビッグトップという大きなテントに行ったロクゴロウ(TAO)とモリフキン(nomu)。しかし今は閉鎖しており、どうやら4時間後に盛大なライブイベントをここでやるらしい。
一方クロ(TERA)とカイキ(てまだ)は、北のシルヴァーソング湖へ向かう。
そこでは大きな貝殻の中にしつらえた水瓶にいる人魚のバラシャが、美しい歌声を披露して観客を沸かしていた。
その時、突然観客の中から、あざけりや野次が飛んでくる!人魚は口ごもって湖へ逃げてしまった!
たまたま見ていたクロとカイキは、その発声源が一人のケンクからだとすぐわかった!
ヤジを出して逃げ出すケンクだったが、追いかけて捕らえる猫団たち。
そのケンクは観念してなぜヤジを飛ばしたのか話し始める。ケンクの「彼女」の名は「やかん鳴らし」と呼ばれており、七色の声を使えるケンクだった。彼女はアーチフェイのザビルナと契約していたのだが、最近の音信不通で不安になり、唯一の接点があるとみたサーカスで嫌がらせをして、ウィッチとライト二人に目をつけさせて会おうとしたのである。
つまり、動機的にはマドリックとほぼ同じだったのだ!
彼との違いは、一人で直接サーカスへ乗り込んだことだったが・・。
事情を知った猫団は、「やかん鳴らし」から助言を得る。ウィッチとライトに「言うことを聞かせる」には、自分は迷惑な行為で目立たせる方法を使ったが、もう一つ、ここのサーカスを盛り上げて一番の客となり、毎晩決定される「サーカスの王」となれば、オーナーといえど命令を聞くというのであった。
いずれせよ、プリズミーアにはフェイの条項で、やかん鳴らしは入れなかった。自分の代わりに異世界で真相を突き止めてくれと、また頼まれる猫団であった・・。
●幻影の殿堂
早くも1時間が過ぎて、次の時間になろうとしていた。幻影の殿堂という建物に近づいたロクゴロウ(TAO)は、ガラスケースの中にいる木製のマネキンに目をやる。「ヒデアスラフターで有名なターシャ」とある。だが歴史に詳しくなかったロクゴロウには、その意味がわからなかった。
ターシャの木像
そのとき、近くのハーフリングのカップルが突然爆笑しだす。そしてその影響がロクゴロウにも受ける魔法の気配を感じた。
これぞヒディアスラフターの呪文の影響だ! 恐ろしい魔法の影響から逃れようと、中にはいらずその場を離れたロクゴロウであった・・。
●蒸気オルガン
一方、チケット広場の隣にある蒸気オルガンがあり、小さな猿がハンドルを回してこのサーカスのBGMを奏でていた。そしてその猿は、観客に歌を口ずさんでいた。
ボタンを一つくださいな。
ここに一緒に縫いつける。
何もあげられないけれど
笑顔一つでいかがです?
たまたま興味をもって近くへ来たラオ(ごしま)は、自分のボタンをちぎって猿に渡す。すると猿はそのボタンを自分の服にさっと縫いつけ、ウキー!と笑顔で返したのであった。
ラオは、何か役得を得た気がした!
●ティーポット
さて、大きなティーポットの建物にやってきたのはモリフキン(nomu)。変わった韻を踏んで話すラップなゴブリンに案内されて、「泡」の中に入って空中遊泳が出来る場所だったのだ!
だが敏捷chkに失敗し、泡は途中で割れてモリフキンはうまく乗れなかった・・。
●回転木馬
またもや時間が過ぎ、3時間になろうとしていた。モリフキン(nomu)はクロ(TERA)を連れて、回転木馬に行ってみる。
それは木製のユニコーンが回る場所であった。そこの管理人は、物悲し気なケンタウロスの少女であった。
ケンタウロスのダイアナ
妖精界の事を聞くと、ダイアナはその木製ユニコーンが教えてくれるという。もしかしたら、失くしたものに対してなんらかのヒントが得られるかもしれない。だが、そのユニコーンの信頼を得るには、その木製ユニコーンと本来それと同じ馬具を取りつけなければならない。今は馬具とユニコーンの組み合わせがバラバラなのだ。
ユニコーン「はな」→馬具「団子」
ユニコーン「犬」→馬具「棒」のように、一般知識で難なく謎を解いた猫団。ユニコーンは現在の妖精界の状態を教え始めた。
それによると・・
・プリズミーアのザビルナは、どうやら時の中に凍り付いている状態だという?
・3体のハグが、凍ったザビルナの隙をついて、プリズミーアを三分して統治している状態。
・その魔女三人の名前は、バブローナ・ブライトストロー、スカバサ・ナイトシェイド、エンデリン・ムーングレイブ。彼女らは通称「砂時計の魔女団」と呼ばれている!
実に有益な情報であった。つまり失くしたものを見つけるには、この三人のいずれかと会う必要があるわけだ。
●神秘の鉱山
南のほうでは、トロッコ乗り物のアトラクションがあった。これは危険な鉱山に驚かされながらトロッコのアクションを楽しむものだが、魔法で真に迫るような恐怖心に訴えてくるのだ。だが自身も魔法使いでるラオ(ごしま)にとっては、平気だった(SAVE成功)。
●ドラゴンフライ・ライド
池の近くには、巨大なトンボ・・ドラゴンフライに乗れるというアトラクションがあった。
訪れたロクゴロウ(TAO)はさっそく乗ってみるが、致命的な敏捷力操作失敗で、墜落してしまう。
おかげで、観客は盛り下がってしまった! 猫団も、なにやらレースで盛り上がっていた雰囲気が台無しに・・。
●祝祭の果樹園
さて、カイキ(てまだ)は果樹園を覗いてみる。そこは大量のベリーとカスタードクリームが盛られた皿が大量にあった。
どうやら早食い競争をしているようである。
さっそく挑戦するカイキ・・・だが、莫大なカスタードダメージ(笑)を受け、喉をつまらせKOしてしまう!
そしてまた雰囲気が台無しに・・・連続で盛り下がった空気は、もはや悲しい雰囲気が漂うオルガンが鳴っていた!
雰囲気ッ!・・そう、このサーカスでは重要な要素のようだった。アトラクションで客を盛り上げないと、サーカス全体が盛り下がる。逆に絶頂まで楽しめば、一目おかれるかもしれない。ウィッチとライトに会うためには、どちらかに極端に振れる必要があったのだ。先程会ったケンクのやかん鳴らしは、極端に迷惑を行うことで注目させようとしたようだが・・。
●逆転のビッグ・トップショー
悪い雰囲気を急いで直さねばならない!ちょうど4時間目になって、ビッグトップのテントで大イベントが開かれるようだ。
さすまじい魔法ショーが繰り広げられるが、客参加も許可されるこのショーで挽回しようと、参加したロクゴロウ(TAO)、カイキ(てまだ)、クロ(TERA)。
これ幸いというか、子猫に見えるクロのその愛くるしい姿に、観客に異様にバズり、大人気となった!
おかげで、良い雰囲気になってきたのだ!
●オーナーらとの面会
そんな目立つ行動をする猫団らに、訪ねてくる大男がいた。
かぼちゃの被り物の大男・・。どうやらオーナーらの護衛のバグベア「バーリー」のようだ。
バーリーは黙ってついてこいと言わんばかりに、猫団らをサーカスの外れの馬車が置かれた従業員専用エリアに案内される。
その最奥は、オーナーらの馬車なのであった。
奥にいたのは、ウィッチとライトのオーナー2人。
猫団は素直に話してみると、彼らは8年前の「失われたもの」については憐れみつつも、今となっては3人のハグ(魔女)の世界となってしまい、自分たちではどうしようもないという。
そもそも彼らも臨時のオーナーであり、本来このサーカス団のオーナーではなく、正反対の世界にいるシャドウフェル界のサーカスのオーナーだったのだ。だが魔女との契約でこのサーカスを任されたのであった。このウィッチとライト、よく見れば、彼らはそもそも「シャダーカイ」。つまり妖精界とは正反対の影界の種族だったのだ!
●カタツムリレース
残り時間も残りわずかとなった。盛大なカタツムリレースはせっかくだから猫団全員参加で挑むことになった。このうち一人が優勝すれば、間違いなくサーカスは最大級の盛り上がりをみせるはずだからだ。
それぞれエントリーされている巨大カタツムリに乗り、スタート地点に入る。
レース開始!だが気まぐれなカタツムリは、急に止まったり、観客がたまに面白半分に落とす好物のレタスに向かったりで、ハプニング続きとなる。
なんと優勝はラオ(ごしま)に!
●戴冠式。
ウィッチライトでは、雰囲気が最高潮となった晩には、一番優秀な客を王と認定し、ビッグトップにて戴冠させるという儀式があった。
なんとか雰囲気を最高潮に出来た猫団、中でもレースで優勝したラオ(ごしま)が、今回の王に認定されたのだ!
ウィッチライトの王になると、サーカスに命令できる。そこで猫団は、本来の目的地であるプリズミーアの領域への扉を開くよう、オーナーたちに命令するのだった。
オーナーの二人に、鏡のゲートを開けてもらう。向かう先は、プリズミーアの領域の一つ「此方(こなた)」へ!これから、三人のハグが治める3つの地域へ向かわねばならないのだ。
カイキ「ところで、スタッフだった私は?」
ウィッチ「君はクビだ。どうせ、探し物探しに外へ行くのだろう?」
カイキ「ガーソ」
ライト「ところで、最後に王と君たちに助言があるよ」
ウィッチ「数字の3と8だ。これは今後関わり深い意味を持つ。全ては3つで出来ている。そして3の字を二つ合わせた8の字も、また意味がある。忘れるんじゃないぞ」
★こうして、ついに妖精界へ向かう猫団!新たな地で、「失くしもの」は見つける事ができるか!?(つづく)
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