装甲騎兵ボトムズ傭兵編
最終回第5話
「終幕」
巨大なロケットで宇宙へと飛び立っていったデイジー
彼は猫団にメルキアへは帰るなと告げていった
施設内を調べる猫団。
この施設は100年戦争初期に閉鎖された実験用施設であった。
デイジーの乗ったものの正体は「ISLM」(インターステラー ロングレンジ パルス マクガフィー ハイパードライブ ミサイル)惑星間長距離超空間ミサイルである事が判明。弾頭に使用されるのは従来の熱核弾頭では無く、反物質が用いられている。
これは、ハイパースペースから直接惑星核内にワープアウトすることによって、内部から惑星を崩壊させることを目的とした兵器だった。
報復兵器として実験的に造られたものであり、仮想目標としてセットされていたのは惑星メルキアだった。
その後、緊急に駆けつけた軍により調査が行われた。
「皆ご苦労。私はカダーフィ大佐だ。君たちには一時的に軍に復帰してもらう。当然様々な便宜を計らせてもらう。すまないが星の危機だ、協力を願いたい。」
大佐は判明した当時の関係者の家へ急行し、資料と関係者子孫を連れてくるよう猫団に指示した。
「・・・嫌な予感がする。」とつぶやく大佐。
そして、2台のATキャリアーと、歩兵一個小隊を乗せた数台の装甲車で目的地へと向かう猫団。
大佐の予感が的中したのか、道中襲撃を受ける猫団。敵は赤い新型ATと数機のファッティー 。
バララント新型試作AT エクルビス(レッドカスタム)
敵「よく来たな。猫団か・・・また会ったな。私はお前たちとよくよく縁があるらしい。」
猫団「誰?君?」
タオ隊長「貴様は一々食べたパンの種類を覚えているのか?」
敵「・・・と、とにかくそっちには行かせないから!」
関係者の保護に向かう小隊を援護しながら、猫団の戦闘が始まる。
猫団の機甲猟兵決死の特攻!
このいちかばちかが、功を奏す。
「・・お、俺がやられるなんて!脳がいてぇえええええ!」
頑丈な新型と、盾での防御を駆使するファッティーに苦戦を強いられつつも、敵機を撃破した猫団。
***
関係者も保護され資料も確保。
商業用高速宇宙船に乗せられ、一路メルキアへ。
資料の解析は、猫団も巻き込まれ突貫で行われた。
結果、ミサイルは惑星の位置情報を正確に掴むために、恒星系外縁で一旦通常空間に現れる事が判明。しかし、手持ちの火器では極めて頑丈に作られている外部からの破壊は困難。そのためミサイルに取り付き、内部からハイパードライブのコントロールを奪う作戦となった。
空間装備とドッグキャリアーで出現したミサイルに取り付く!
広大な宇宙空間の一点を狙う困難な任務は、歴戦の猫団だからこそ可能な一発勝負!
無事にミサイルに着地!
セキュリティーを破り、内部に侵入した猫団はAIデイジーに迎えられる。
「みなさん来てしまったのですね。ここで終了してしまうのは残念です。
思えばみなさんとの出会いは数奇な運命でした。出来ればみなさんにお願があります。通常空間に出現したら私と一緒に旅をしませんか?弾頭の反物質は外しましょう。どうでしょうか?
私はみなさんを騙してばかりいた様になってしまいましたが、そんなことはないのですよ?
騙そうとしたのは・・・騙すのは今回が初めてです。」
時間稼ぎまでするAI!猫団諸共、最後のワープを敢行する!
高次元の超空間に引き摺り込まれた猫団メンバーは、お互いが見えない状況になっていた。超空間通信によるお互いの声だけが頼りの中、タイミングを合わせる猫団!
同時に緊急ブレーキレバーボタンを押す !(設定1)
デイジー「ハイパードライブを終了しました・・・実験は失敗に終わりました。
・・・残念です。」
猫団は無事に宇宙空間に戻る事ができたのだった。
〜エンディング〜
突入前日、カダーフィ大佐の執務室には、主席研究員エダノが意見の具申に訪れていた。
エダノ研究員「大佐、ミサイルの反物質では威力不足です。惑星核内で対消滅が起きても、すぐに惑星が吹き飛ぶことはないでしょう。・・・彼等を行かせるのは酷なのでは?」
カダーフィ大佐「直ちに影響はない、か・・・。だが数百年だか数万年ののちに、起こされたスーパープルームで巨大火山の噴火が起こり、惑星規模の災害が発生するのだろう?
それは防いだ方が良いではないか。
彼らは今回関わってしまったのだ、色々なものに・・・ただ、それだけだ・・・。」
大佐はそうつぶやくと、数日前の出来事を回想する・・・。
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大佐は、上部からの使者である男に問いかける
「ミサイルを止めなくてよろしいのですか?」
謎の男は淡々と答える(声:銀河万丈)
「あのお方から、その実験の結果が知りたいと伺いました。ならば我らは見守るまでです。 ・・・ですが、あがいてもいいそうです。彼等を送りましょう。
成功する様であれば、異能生存体かもしれないので、彼等を監視対象とする様に聞かされています。」
大佐は初めて聞く言葉にうろたえる
「異能・・・生存体・・・ですか?」
大佐の疑問に、謎の男は何も答えなかった・・・。
(設定1) このミサイルには、通常の艦船に取り付けられている乗員用の超空間フィールドがないため、ワープ時に船内も高次元域に入ってしまいます。通常、高次元に人間が入ると過剰な情報量が脳に入ってきて、オーバーフローで気絶したり、発狂したりしてしまいますが、猫団が支給されたパイロットスーツには超空間での作業が可能なように、脳の活動を抑える投薬装置が取り付けられている為、高次元域でも自己の意識を保持できます。ですが、高次元方向の存在部分の厚みがどうしても薄くなる為、複数の人間による同時作業で作業の成功確率を上げるという作戦です。 一人で押せないような大きなボタンを、みんなで押した。 みたいなイメージでしょうか・・・。 スーパープルームは、惑星上の生物を絶滅させる規模の、火山噴火を引き起こすようなマントル対流の激しい奴です。詳しくはググってください。 赤いファッティーのパイロットは半分PS化されてます。治療と引き換えの実験を彼は受け入れました。怪我の原因は・・・猫団との戦闘です。戦闘狂なので、猫団にはライバル心ぐらいで、サッパリしたもんです。 |
「これでよろしいでしょうか?閣下。」
「非常に興味深いレポートだった。だが大尉、残念ながら彼らは違った。・・・確率250億分の1は、早々見つかるはずもなかろう。私は今後、結社を頼ろうと思う・・・・軍とは一線を敷くことになるだろうな。」
猫団ボトムズ ~完~