カルドレア・サーガ
ニュージェネレーション



第0話

「最初の冒険記録?」


エール 新米のエルクのインフェルノ騎士団見習いの人間女性エルミナード(女性槍海騎士)。いつも夢みがちな世話好きな17歳の女の子。前線に立ってリューズを守るも・・!?
リューズ エルク魔法大学の学生の人間の青年ディヴァイナー(占術専攻魔法使い)21歳。頭がいいのだが力と体力に自信がなく、大学レポートを完成させるために、家庭教師をしていた関係でエールに護衛役を頼むことに・・・。
スフィーダ リューズの仲間(悪友)のハーフエルフシーフ。その正体はトレジャーハンター。リューズの下宿先で居候している。最近1人でどっかへ行ってしまったと思われていたが・・・最後にちょこっと登場。



筆者GMより:
このリプレイは2007年12月にオフラインで冒険した記録を記憶頼りに起こしたものです。なのでいつものSOリプレイと違い、背景などを付け足した小説部分(白背景部分)と、実際のプレイ部分(背景薄青部分)を入り混ぜてお送りします(´∀`;ただし半年前の話なので、かなり記憶ともにダイジェストでお送りします・・



★エルク魔法大学にて

 降りしきる雨の日の夕刻…リューズにとっては、この日は呪われているとしか思えなかった。大学の授業が終わってから、客員教授であるアルフレッド先生に呼ばれたのだ。成績優秀なリューズは、どこかギルドや大商会への推薦の話か、もしくは共同研究の話かと想像しあれこれ期待したが、先生のいる研究室に入って、その夢はあっさりと破られた…。

「君ね、今のままじゃ単位はあげられないなぁ
・・ええええええっ!

驚くリューズに、アルフレッド先生は顔をしかめながら冷徹な言葉を言い放った。


「君のマジックアイテムや古代アーティファクトにおける研究論文は確かに見事だ。これが普通の教授だったら、すぐAAを与えただろう。しかし私はあえて優秀な君だからこそ、実際にこれらを見て、触れて、そしてその魔法力を体験して感じて欲しいのだ。」

「は、はぁ・・・」

思ってもみなかった展開に、リューズは戸惑った。確かにアルフレッド先生は、魔法ギルド創設にも関わったエルクの魔法研究の第一人者でもある。今でも最前線でギルド運営にも関わっている程の人物で、弟子も多い。そのためか、こういった「現物体験主義」を貫いてきただけあるだけに、今回のリューズにとってははた迷惑な事であった。エルク魔法大学では今年から、こういった実社会でも活躍する人物を客員教授として招く事となった。リューズが受けている科目にも、アルフレッド先生が着任したのがこの不幸の始まりだったのだろう…。結局レポート再提出という課題を突きつけられてしまったのであった。

★   ★  ★

 アルフレッド先生に「最後通牒」をかけられたその夜、リューズはインフェルノ騎士団の見習いである少女エールの屋敷の部屋にいた。この家の家庭教師として雇われていたのだ。最近の騎士は教養も大事らしく、裕福な家庭は魔法大学の学生を家庭教師として教える事にお金を惜しまなかったのだ。しかし当然ながら、その日のリューズにとって、勉強を教える余裕はなかったのは当然であった。

「ねぇ、先生! ・・・ううんリューズってば!」

「うっ・・あ、何?」

「もうー!今日のリューズおかしいよ。 全然心ここにあらずじゃない!一体どうしたのッ?」

お節介なエールにかかっては、逃れる術はないとわかっていたリューズは、仕方なく今日の不幸な出来事を説明した。彼女に相談したところで、なにも解決はしないだろうと思ってはいたのであるが・・・

「なんだ〜それなら私が一緒にいってあげる。ううん!守ってあげる! それなら、安心してレポート提出出来るでしょ?」

「えええ!?」

「いいのいいの!護衛役は任せなさい!」

「い、いやそういう問題じゃなくて・・・」

 またまた予想外な展開であった。エールに強引にまで引っぱり出されたリューズは数日後、エールと共に旅に出ることになったのであった・・。実際に各地に眠っているであろう古代アーティファクトを発見するために・・。
エール「・・やっぱこういう展開だよね!」
リューズ「うん」
GM「ぶはっ・・それじゃ冒険始めます〜。 そんな君たち二人、街道を歩いています。」

 エルク共和国代表で、現市長でもあるシルーナス卿の内政の功績を1つあげるとすれば、それは街道整備であろう。カーン戦争後はこの国家事業が急ピッチで進められ、数ヶ月でエルク共和国全体の交通網が網羅された。それ以降各地には輸送が活発化し、やがて旅人の為の宿が建てられ、それらが集まって、今では数年前まで地図にはない宿場町がたくさん出来たのであった。

 しかしエルクにとっては、地方の発展と引き替えに、これら宿場町の安全という悩みも抱える事になったのである・・。
GM「さて、エルクを出発した君たちは、ラントへ向かう途中です。桑(くわ)の川を越え、ルピス湖がちらちらと森林の合間から見えだした辺り。ちょっとした坂を登ったそのときです! リッスンチェック〜! WISですな」
「えい!」(PLたちダイスを振る→二人とも失敗^^;)
★山道にて

「ん?なんか聞こえた?」

突然、リューズが足を止める。先を楽しそうにスキップしていたエールもリューズに振り向く。

「え?なになに?どうしたの?」

「前のほうで、なんか聞こえたような」

「何かってなによ。あ・・」

エールが前を向くと、前方に馬車が横倒しになっていたのだ!そしてカキーンと剣の交わる音、矢の音や悲鳴さえ聞こえる!

「誰か戦っている?・・・ってちょっとエール!」

リューズが首を傾げるその間に、エールが前へ走り出して、叫んだ。

「助けに行かなきゃだめでしょう!」
GM「えーと、馬車が横倒しになっていて、引っ張っていた馬はどこかへもう逃げ去っていたようです。何人かのエルフやゴブリンがその周辺で倒れていますな。その離れたところに、ゴブリンたちが矢を射かけています。君たちが近づくとまもなく、エルフの最後の1人が倒れたところのようですよ!」
リューズ「ああ、間に合わなかったか」
エール「相手は何匹〜?」
GM「ゴブリンは3匹です・・戦闘ですな^^;」
リューズ「2VS3だけど、魔法使い1レベルは期待するほうが間違いなんだぜ」
エール「リューズの分は守るから、うん」
GM「インフェルノ騎士だしねw」
リューズ「わー・・w」
エールは意を決したように手持ちの槍を構えると、ゴブリン勢に向かって突撃した。突然の新手に驚くゴブリンたちは、あわてて弓矢を射ようとする。しかし接近戦に持ち込まれたために、思うように射ることが出来ない。やがてエールがその一匹目を倒すと、そのまま二匹目のゴブリンへも近づいた。その二匹目が体勢を立て直したそのとき、リューズが魔法(マジックミサイル)でゴブリンをはじき飛ばした。二匹もやられ、残った一匹のゴブリンは、あわてて逃げようとするが、追いついたエールによってとどめをさされた!
GM「ゴブリン達を倒すと・・・スポットどぞ!WISです」
(ダイス結果成功)リューズ「・・こんなときに出目がいいとは」
エール「ね・・」
GM「突然、横倒しされていた馬車の荷台が、動き出しました!」
エール「うわわ、なに?」
リューズ「警戒するー!」
★サンツリーの村へ

動いた樽から現れたのは・・・・1人のハーフリングの中年女性だった。

「いやぁ助けてくれてありがとね。わたいは商人のリアンヌ。エルクからこの先のサンツリーへ売り物を運んでいた途中でね。」

「サンツリー?」

エールが聞くと、リアンヌは荷を元に戻しながら、話し続ける。

「この先の宿場だよ。まだ新しいので小さいけどね。そうだ。もうすぐ日暮れだし、どうせあんたたちも同じ方向だろう?ちょっと護衛も兼ねて、つき合ってくれるかい?」

「どうしようか?」

エールがリューズに訪ねるが、リューズもさすがに疲れたのか、うなづいて同意する。

「夜になったら危険らしいし、なにしろ寝る場所くらい確保しないと・・」

そして村に入ると、リアンヌと別れ、そこで一番大きな宿に入ったのであった。
リューズ「・・寝ないとMP回復しないしな!w」
エール「じゃついていくー」
GM「はーい。こうして、宿場村のサンツリーに辿り着きます〜。ま、彼女が言っているように小さな村ですな。一応100gpくらいまでの値段までなら、買い物できます」
リューズ「さっきのゴブリンの装備で、いらないの売ろう。レザーアーマーとかいらないよね。」
★サンツリーの宿「三つ羽根亭」にて

二人がテーブルで夕食をとっていると、店の女主人が乗り出してきた。

「ねぇ、あんたたち。ゴブリン倒したんだって?さっき外でリアンヌから聞いたよ」

「うわぁ、もう有名人だね」
「こんな小さな村だし・・。」

女主人の言葉にエールが胸を張って言うが、リューズは冷静に返す。それでも女主人は期待するかのように続けた。

「ならさ、ちょっと頼まれてくれないかい?ここんところゴブリンが多くてねぇ。あいつら、普段は大人しいのに、最近嫌がらせばかりするのよ!」

「ゴブリンが?」

リューズがつぶやいて、エールと顔を見合わせる。・・何やら初仕事の予感を感じた二人であった・・。
エール「・・つまり、ゴブリン退治しろと?」
GM「そういうことですな。女主人が言うには、ゴブリンがちゃんと手出ししないとわかったら、500gp(金貨500枚)出すそうですよっ」
リューズ「あああ、レポートがー!w・・でもやらないと、今は資金は大事かな?」
エール「やろうよ!w どっちにしろ、道の途中だし、騎士としては当然だし、それに宿代も浮ry
リューズ「ちょw おまww。 ところでゴブリンて、それまでは大人しかったってこと?」
GM「そのようです。手出しはしなかったのに、このようにちょっかい出すのはつい最近のことらしい。まぁ先ほどの戦闘で死者まで出すくらいですから、ただならぬ様子ですね。」
リューズ「そうか・・」
エール「何かあるよね、絶対」
リューズ「ゴブリンじゃない何かがな(´A`)」
エール「ね・・・」
★ゴブリンの洞窟へ・・

翌日、宿を早く出た一行は、教えのあったゴブリンの多く出没するという場所に行ってみる事にした。結局金貨500枚でゴブリンの面倒を処理するはめになったのである。程なく丘を登り切ったところで、ゴブリンの巣らしき洞窟の場所が見つかる。

「2キロもないじゃない!・・こんな村の近くにあるなんてー!」

エールは信じられないといったように怒りながら、歩いていく。それにリューズも続くが、ふと気づいて、エールを止める。

「あ、待った! 入り口に何かいるよ?」
「・・え、え?見張り?」

エールも見渡すと、そこには犬と一緒にゴブリンの見張りが1匹、入り口付近をぞろぞろとはい回っていたのである・・
GM「とりあえずここからダンジョンなんで、地図お願いしますー」
エール「はーい!」
リューズ「わー・・。それじゃ、向こうは気づいている?」
GM「(ダイス振って)いや・・気づいていないので、不意打ち可能ですね!」
リューズ「それじゃ、やっちゃいますか?」
エール「・・そだね!」
ゴブリンたちが飽きながらうろうろしているその隙に、二人は仕掛けた。エールの槍が犬にとどめを刺すと、そのままゴブリンへ向かう。リューズもライトクロスボウで後方から射撃援護して、たちまち見張りのゴブリンを倒した。

「不意打ち成功だね!正義は勝つ!」

エールが初戦闘の勝利に喜ぶ。その間にもリューズは黙々と部屋の中を探っていた。

「何もないな・・。そこのドア、調べてみよう」

リューズはそっと、扉に耳を近づけた。
GM「さて、ドアの先からは・・『ああ、今日もついてないなぁ』『くそ、勝ったぜ』と、なんか先ほどと同じゴブリンたちの声がしますね!それも複数」
エール「いるね〜。」
リューズ「何やってんのかな?」
GM「何か賭事しているようだ・・四人で・・・まるでマアジャンでもしているようにw」
エール「そうなの!?w」
GM「例えですよ!?」
リューズ「って、もうエール君がmapに絵描いてますが、何か・・」
GM「ぶはw」

★ドアを蹴破るエール

リューズは扉の取っ手も調べてみるが、開く様子はない。

「・・鍵かかっているみたい。」
「ええっ・・」

二人はどうするか思案した。しかし、思ったように考えが浮かばない。

「困ったなぁ。こんなときスフィーダが居れば、鍵開けとか出来たのに・・」

リューズが頭を掻いて扉を開ける算段を考えていた・・そのとき、エールが後ろにわずかに下がって、
それから助走をつけて思いっきり扉に向かって蹴りを入れたのである。

「てやぁ!!」
「・・うわぁ!」

エールの蹴り一発で、ドアはすぐに開いたのであった・・。

GM「うわぁw」
リューズ「シーフがいないから、確かにこれしかないけどさー!w」
エール「・・・しょうがないじゃない!」
GM「というわけで、戦闘です〜。ゴブリン四匹・・^^;でも蹴破ったおかげで、完全また不意打ちですねw」

PC一同「わーw」
エールがテーブルに乗りかかると、槍を振り回す。突然ドアがぶち破られ、あわてたゴブリンたちは、武器を構える前に次々と倒されていった。リューズも魔法で応戦して、あっという間に4匹を倒した。

「はぁはぁ。や、やった?」

リューズが息を切らしながら、辺りを見回す。エールも一緒になって確認する。

「はぁ、我ながらすごいよね〜。ずっと不意打ちが続けばいいよね」
「こっちは心臓がいくらあっても足りないよ!」

エールの脳天気さが、リューズが心配の種であった・・。
GM「次のドアを開けると、十字路ですね」
リューズ「(聞き耳等、四方を調べた後)・・どうしようか?」
エール「右でガリガリって音するんだよね?そっちから言ってみようよ。」
リューズ「あとは通路がまだ続いているようだしな」
GM「それじゃ、右の・・つまり東の通路へ〜。しばらく行くと扉ですね。がりがりという音が、大きくなってる。どうやらこの中から聞こえてきますね。」
エール「開ける!」
リューズ「またそれかww」
エール「今度は蹴破りじゃないもん!」
★リューズの魔法は子守歌

次の部屋にいたのは、自分の倍以上の大きさもある、モンスターであった。二人は初めて見る生物なのは、間違いない。
先に出ようとしたエールが、ゴブリンじゃないことに、狼狽えて後ずさる。

「な、なにこれ・・」
「確か・・バグベアーだよ。下がって!」

リューズがそういう叫ぶと、自ら呪文を唱えた・・たちまちバグベアーは自分の武器を落として、眠ってしまった!

「き、効いたか・・よかった。」
「すごーいリューズ!、何今の?魔法?」
「眠りの・・ね」

リューズ「スリープ効いて良かったーorz」
エール「すごーい!子守歌で一発!(mapにもそう書く)」
GM「こ、子守歌てw」
リューズ「私はいつからバードですか(´A`)とにかく部屋捜索〜」
GM「あはは・・・さて、お、サーチダイス目いいですな。おかげで北に秘密の扉発見!」
エール「おおー」
リューズ「開けます〜」
GM「その先は、通路で、また扉ですね。どうします?」
リューズ「ずっと先進むのもいいけど、十字路の行ってない方も気になる」
エール「そだねー。そっち行く?」
リューズ「うん。」
GM「それでは、どっちへ?」
リューズ「北・・かな。」
GM「北へ行く途中に左手に扉ですね。」
リューズ「聞き耳〜」
GM「今回は・・静かだ。鍵もなく、開くようですが!」
★大白イタチの罠

二人が部屋に入って調べてみる・・どうやらここは長いテーブルに多数の椅子・・明らかに食堂であった。

「ゴブリンたちの食べ物だから、あまり美味しいのは期待しないほうがいいね」

リューズがそう言って、奥への扉に行こうとした時、突然床に置いてあった篭から、大きな白イタチがリューズに食いついてきたのだ!

「痛あああ!」

噛まれたリューズは、尻餅をつく。腕は噛まれて血が流れていた。

「大丈夫!リューズ!?・・こいつ!」

エールは槍を構えると、白いたちに向かって突き刺した。白いたちは何度かすばしこくエールの槍をかわすも、部屋の角に追い立てられ、ようやく仕留められた。

リューズ、血が出ているじゃない!」
「うう・・平気だよ」

エールは慢心していたのを恥じた。リューズの体力は、エールの半分もないのだから・・。

リューズ「危なかったorz 魔法使いだから、hp少ないしっ」
エール「ねー・・」
GM「まぁ警戒は怠ることなきようっ^^; といっても、不意打ちされたのは初めてかw」
リューズ「気を付けねば・・扉調べます〜」
GM「ここは出口の他に、二つの扉がありますね。西の扉からはへたくそなゴブリンの鼻歌がする。もう一つの北の扉は、静かです。」
リューズ「先に静かなほういくか。北の扉開けます〜。音がしてないほうから」
エール「どかーん!蹴破る」
リューズ「ちょww」
GM「開けると、そこは・・林檎や薫製肉他、たくさんある・・食料庫のようですね!みんな、突然スポットWISどうぞ!」
リューズ「(ダイス)危ないな・・ぎりぎり成功?」
GM「なんと、天井からぼたっと・・ねばっこいやつが・・!」
PC一同「なーんーかーいーるー!」
★スライム・・

天井からやってきたのは、粘った生物であった。すぐに避ける二人だが、その生き物はすかさず酸を吹きかけてくる。

「わっ、あぶないなぁ」

エールは避けると、食料庫の樽の背後から槍で突き刺す。しかし、飛び散る酸で武器までも失いそうになる。

「武器そのものが酸でやられるから、気を付けて!」

背後に隠れていたリューズが、そう忠告した。エールは樽に隠れながら移動し、酸が吹きかけてきたところをやり過ごして、
槍で突き刺す。
GM「さぁ次エールの番。どうします?」
エール「これ、スライムだよね〜」
GM「ドラ●エのアレとは違いますけどね!w 『スライムがあらわれた!』w たたかう?にげる?」
エール「コマンド?w」
リューズ「ちょww だから地図にそのもの書くなwww」
スライムをなんとか倒したが、食料庫には目立つ物はなかった。しかし、気になるのはもう一つのドアにある下手くそな歌声であった。

「どうやら、ゴブリンが歌っているようだよ。」
「一匹だけ?」
「うん・・」

リューズが耳をすましてから、ドアを確かめる。それは開くようだ。

「よっし、いっけー!」

エールはまたも蹴破った!そこは、調理場で一匹のゴブリンが料理をしていたのであった!

しかし背後からのドアで驚いたゴブリンは、哀れエールの一撃で、息絶えたのであった・・。
リューズ「さすがにカワイソスw」
エール「ね・・w」
GM「二人しかいないから、しょうがないかもw どうします?」
エール「探る〜!」
GM「保存食に混じって、ランタンやロープ等使えそうなものがありますねぇ。22gp程お金も発見。」
リューズ「お、やっとお金が」
エール「次どうする?」
リューズ「元の通路の先は?」
GM「両扉ですね! どうします?」
リューズ「当然、聞き耳から」

GM「何か聞こえる!またゴブリン語だ!」
リューズ「なんて言ってる?」
GM「なんか、ぶつくさ言ってますね〜。『最近どうよ〜』『まぁそうだなぁ〜』とか?」
リューズ「なにそれwww」
エール「(台詞をmapに書く)」
GM「開けると、確かにゴブリンの寝室ですね。4匹ほどたむろしていた!・・てちょw 台詞書いてるwww」
エール「だって!w」

★敵の魔術師

ゴブリンが話しているところへ、エールがいつものごとくドアを蹴破って入った。
あわてたゴブリンたちは武器を構えて襲いかかるが、リューズのマジックミサイルとエールの連携攻撃の息の合ったコンビの前に、難なく倒されるのであった・・。

「南の扉は、さっきのでかぶつバクベアのところにつながっているわけか」

リューズがつぶやくと、南の扉を調べる。エールも倒れているゴブリンたちを確認すると、リューズに向いた。

「それじゃ、北のドア行こう!」
「あ、ちょっと!」

リューズが止めるのも聞かず、エールはまたしてもドアをうち破った・・
そこは、きつい臭いとともに、ビーカーやたくさんの書物や本、スクロール・・一目で、魔法使いらしき者の研究室なのがわかった。

「・・・ゴブリンでも、魔法使いもいるからなぁ。」

リューズが書物をめくりながら、つぶやく。そのとき、エールが部屋の傍らにある巨大なキノコに近づいた。

「ねえリューズ。見て!でっかいキノコ・・って、うわわわ!」

突然、エールが触ると、そのキノコはけたたましい金切り声をあげたのだ。
そして部屋の隅にあるカーテンの奥から、炎が二人めがけて噴き上げてきた!
GM「このキノコはシュリーカーでした・・w 近づくと金切り声をあげる、警報モンスターです。エールが範囲内にいるか・・ダメージ少々食らいましたな。」
エール「やられたー!」
リューズ「炎というのは?」
GM「スポットどぞ!」
リューズ(ダイス)「あ、出目ぎりぎりいいか。」
GM「その数値ならなんとか。やはり魔法使いのホブゴブリンですね!君たちめがけて魔法を放ったようです!」
リューズ「バーニングハンドか、エール、やっちまおう」
エール「おー!」
ホブゴブリンの魔術師は、炎で仕留め損なったことに舌打ちをして、次の魔法を唱えようとする。しかしエールのほうが動きが速かった。槍を構え直すと、ホブゴブリンに突き刺す。しかしもともと身体が大きいこの生物にとっては、エールのひと突きでくたばる相手ではない。だがそこへリューズが、すかさずクロスボウで眉間を狙ったのだ。

「!!」

ホブゴブリンは思わず急所を刺され、そのまま後ろに倒れ伏した・・。
リューズ「わークリット! んじゃあさる!w」
GM「さて、ここには魔法物品として・・おおマナドロップSがありますな!MP回復1d8+1の。」
エール「それはもちろんリューズへでしょう」
リューズ「これでなんとか魔法がまた使える」
GM「あと100gp相当の真珠とかもあった!」
エール「わー。」
リューズ「ゴブリンのくせに、金持ちだ・・!で、通路は他には?」
GM「西に伸びてますね〜。ってか、そこから下り階段ですよ!」
エール「かいだん・・」
GM「ああ、mapに階段って、こう書くといいよっ(書く)」
エール「なんか、ドリルみたいなんだぜ?」
リューズ「ちょww おまwww」
GM「ちがっ!ww」
リューズ「だから、ぎゅいーんて書くなw」
エール「だって!ww」
★怖かったよう

魔術師を倒した二人は、相談の上下り階段は後回しにし、最初の十字路行ってなかった通路を歩くことにした。もうドアを蹴破って不意打ちを仕掛ける戦法が何度もうまく行く事に、エールは喜んでいた。

「今度も不意打ちだといいな!」
「そんなにいつまでもうまくいかないって・・」

リューズがたしなめるが、エールはひょいひょいと通路を先へ進む。

「大丈夫かな・・」

リューズが心配するが、そのエールが足を止めた。・・途中、北にカーテンがかかっている場所があったのだ。

「なんだろ?ここ?・・うわ、くさい?」

カーテンをめくって入るざま、エールが鼻をつまむ。・・そのとき、横から突然、斧が振り下ろされた!

「痛い!!」

エールが肩から血を流す。倒れ込むエールに、リューズがびっくりして駆け込む。

「エール!?・・、って、ほ、骨!?・・これは確か・・スケルトン!?」

スケルトンの不意打ちの後、奥からさらに腐った死体・・ゾンビが一体、襲いかかってきた!
いきなり致命傷を負ったエールは、ふらふらしながら臨戦態勢に立て直す。が、足がふらついている・・!

「りゅ・・リューズ・・!」
「エール、下がって!くそ、眠りじゃ効かない!」
GM「というわけで、スケルトンですよ!お茶〜ですよ!」
エール「でろ〜って。でもあと一撃で死ぬかもだ・・!」
リューズ「あうあう。とりあえずバーニングハンド〜・・・」
GM「スケルトンは燃えたけど、ゾンビがまだ・・エールにきまーす」
エール「やーめーてー!」
GM「外れた!」
リューズ「エール、がんばれ!」
エール「えい!(ダイス)・・当たった。ダメージ7点!さすがオレンジダイス」
GM「おおw ゾンビ倒した!」
リューズ「わー!」
エール「エールはアンデッドこわい・・と!」

エール「だって本当に、アンデッド怖かったよう・・」
リューズ「よしよし・・」
GM「って、描いてる!w」
★荒れ果てた礼拝堂

なんとかアンデッドの恐怖を克服したエール。リューズもほっとして、ようやく二人は先へと進む。
・・途中、たいそうな石製の扉を見つけた。

「これ、何のマークかわかる?エール」

リューズは、石扉にあるシンボルマークのようなものを指して言った。

「えーと、確か・・うん!わからない」
「・・・・はぁ。まぁ、明らかにドワーフの関係の宗教だろうけどねぇ。」

その斧のようなマークと、石という組み合わせはドワーフのシンボルが定番である。もう少し宗教学もやっておくべきだったなとリューズは後悔しつつ、その扉を開けた。
・・だが、中は惨憺たる様子であった。長椅子と祭壇のある一見すると礼拝堂のようなこの部屋が、めちゃくちゃに荒らされているのだ。

「なにがあるか、見てみようよ。役に立つ物があるかも」
「ちょっとー!教会の物を物色だなんて!」
「えええ!」

エールは怒るが、リューズはため息をついた。

エール「物色なんてー!w」
リューズ「ちょww」
GM「どうします?w」
リューズ「まぁ、荒らされたんじゃ、何もないよな」
エール「出よう出よう!」
GM「(ここ、実は罠があったから、エールで正解だったかも・・)」
礼拝堂を出て、通路は北へと進む。だんだん、壁がごつごつした自然の岩肌になっていく・・進めば進むほど。

「暗いね。明かりつけようか。」

エールがそういうと、台所で見つけたランタンを灯そうとする。だがそのとき、リューズが叫んだ。

「エール、上、上!」
「え・・・・なに!?」
GM「天井から、クモですよ!キシャー!」
エール「わー!」
リューズ「不意討ち?」
GM「いや、スポット成功したので、せーふっそのままイニシアチブですね!・・げ、低い!クモのくせに」
リューズ「やったーw」
エール「えーい(命中)、わわ、出目がいい」
GM「これ、強敵なはずだけど、出目の運がなくなったわっw」
リューズ「もうそのままそれでいいよw」
GM「ぎゃーw」
★思わぬ再会

その巨大なクモは、二人のさんざんな攻撃に遭い、走り回って天井に逃げようとした。
だがエールの槍はそんなクモを容赦なく突き殺した。

「もう、いきなり来るなんて!」
「危なかったね。・・巨大クモの巣だったんだ、ここ・・」

リューズは見回すと、確かに辺り一面、蜘蛛の巣だらけになっている。一部は地面が見えず、完全に白い巣の世界だ・・。
GM「さて、どうします?」
PCたち「焼く
GM「ちょww・・・な、中から、熱い熱いという声が!
リューズ「えwwちょww」
エール「なになに?」
スフィーダ「遅れてすいませんー!もうだいぶ進んでいたね・・」
GM「というわけで、ここからスフィーダ合流ですw」
リューズ「そういうわけかww」
スフィーダ「焼く!?って、・・・あっちっちちちちw」
エール「わー」
リューズ「しかし、どうしてここにリューズが?w」
GM「まぁ、シーフだから、宝の在処をかぎつけて、1人のこのこ探索していたら、クモに捕まった・・というあたりでしょうかw」
スフィーダ「ですね!w」
リューズ「そうかww ってまたなんか描いているし」
エール「ばぁー!だから、ばぁー!w」
「あちちち!あちいよ、馬鹿!」

「クモ繭」から現れたばかりのスフィーダが少し焦げたマントを気にしながら、叫んだ・・。

「まさかスフィーダが捕まっていたとは・・」

リューズが信じられないように目を丸くして言った。これが家で居候している、悪友との再会であった。もちろんスフィーダは大学生ではなく、同郷のよしみで居候して、普段はいつもどこかへ出かけているのであるが・・。

「いやぁ悪ぃな。まさかおまえに助けられるとは・・あれ、このお嬢ちゃんは?」
「ば、馬鹿!インフェルノ騎士団だよ!今回、護衛を頼んだの。」
「見習いですけどねー!」

三人は互いに握手をして、今までの事を話し始める。もちろん、スフィーダはここへ宝の噂を聞きつけてやってきただけであったが・・。ともかく、三人で奥の通路を進むことになった。1人増えた事は、吉と出るか・・。
GM「さて、クモの巣の先は・・下り階段ですね!
エール「またドリルか!」
GM「ちょw」
スフィーダ「なに、ドリルって?w」
リューズ「こんなんだか、ドリル(地図みせて)」
エール「うん・・(描く)」
GM「だから・・!w えと、その先の部屋は、前の階段ともつながっているようです〜!」
エール「ああ、そうなんだ!」
リューズ「ってことは、どっちにしろこっちに進まないと行けなかったのか。」
スフィーダ「何がいます?探りますが!」
GM「ここには、一際大きなゴブリンが1人、いました!」
★自棄になっているゴブリン王

「オレ様はグラッグ!ここゴブリン族の王・・だったがな!くそ!」

その大きなホブゴブリンは、武器を構えながら、叫んだ。三人とも用心しつつ、この敵を囲むように立った。

「いったい、どういうことだ?」

スフィーダが聞いてみるが、この王・・はそれよりも速く、武器を構えた!

「奥の大トカゲ様に聞いてみるんだな・・!このむしゃくしゃ、おまえたちを殺すことで、晴らそう!いくぞ!」

「わ、わ、大トカゲ!?」
「いったいどういうこと?」

リューズが驚き、エールが首をかしげるが、それよりもまずは、こいつをなんとかしないといけないようだ・・。
GM「今度は三人だから、ぐっと戦略が増しますねw 先にスフィーダ」
スフィーダ「それじゃ、クロスボウで打ちます〜。」
GM「当たった。ボスはまたイニシア遅いので、次エール。スフィーダと挟み撃ちで、ボーナス+2!」
エール「わー!」
とどめを刺されたゴブリン王は、くやしながらも、力尽きたようだ。しかしみんな彼の言葉が気になるのであった。

「大きなトカゲって言った?」
「まさか・・ね・・はは」

エールがつぶやくと、リューズが頭を抱える。その横で、死んだゴブリン王の宝箱を調べていたスフィーダが、喜んで叫ぶ。
「見て見ろよ。さっそくお宝だぜ。」

そこには、ロングボウや出来のいいアックス等の装備や、金貨が130枚、それにヒーリングドロップもあった。

「これで、なんとかしのげるね。あとは、”でかいトカゲが気になるけど・・”」
「とにかく、行ってみようぜ。遭えば解るってもんだ」

リューズの心配も知らずに、スフィーダがひょいとスキップして、さらに続く下り階段を走っていく。しかし、すぐ奥で彼の声がした。

「おい、なんだこれ?」
「!?」

残っていた二人が階段を降りると、そこは両開き扉で、なにやらメッセージが書き込まれていたのである・・。

スフィーダ「のーらっくさまのへや?開けるな!?」
GM「・・と、汚い標準語で書いてありますなぁ。」
リューズ「何者だ?w」
エール「ああ、これがおおきいトカゲ」
リューズ「っていうか、もう、あれだよね・・」
スフィーダ「うう・・・出るのか、ドラゴン・・・」
エール「ええ・・・・・うん、でも行くしかないよね。他に道ないし。」
リューズ「だね・・」
GM「さて、開けると・・巨大な洞窟です。なにやら奥に金銀の光るものが・・いくつかのコインや宝がばらまかれています!
スフィーダ「おおー」
GM「そしてその手前には、・・・黒いドラゴンが寝ているっ!」
PC全員「なーんーかーいーるー!」
GM「さて、どうしますっ?見かけは小さいドラゴンですが・・まだ赤ん坊なのか、珍しく人間のちょっとだけ大きいくらいだ」
エール「あ、そうなんだ・・」
スフィーダ「それでも、強いと思うw」
リューズ「ね・・w なんとか、出来ないかな?」
GM「そんなこんなで、目を開けた・・!とりあえず戦闘!イニシアチブー!」
PC一同「わー・・」
ノーラック・・その小さな黒竜は、自分の睡眠を邪魔された怒りで、三人に向かって酸のブレスを吐いた。

「ここは、ぼくのおへやだど!」

黒竜のあどけない口調とは裏腹に、強力な酸の息で吹きかける!

「うわ、危ない!いたた。ちょっと、痛いだろ!」

スフィーダは避けられず少し火傷すると、怒りを竜にぶつけた。あわてて止めに入るリューズ。

「だめだよ。なんかあの竜、まだ子供みたいだ・・なんとか説得できないかな?」

槍を構えていたエールが、そのとき声をあげる。

「私がやってみる!」
「・・え!?」

エールの声に、思わずスフィーダとリューズが心配しそうに顔を見合わせた・・。
GM「説得チェック〜!対抗です!」
エール「ようし、このオレンジダイスでー!・・おおいい目」
リューズ「おお!」
スフィーダ「やた!」
GM「がーん、負けた・・竜はエールに諭され、攻撃を辞めた!」
一同「わー!」
GM「って、描いているしw」
エール「だって一番いいところだし!・・『めっ!』ってw」
一同「www」
・・・結局、ゴブリンの凶暴化の原因は、この黒竜ノーラックがゴブリンの巣を突然『遊びに来た』理由からだった。空腹になっては酸の息を吐いて死ぬゴブリンたちを見かねて、ゴブリン王は降伏したのである。そしてなくなる食料確保のために、付近の人間たちを襲い始めたのが、事の顛末であった・・。

「ところで、この黒竜どうするの?」

リューズがエールに聞く。

「・・どうしよっか。飼おうかと思ったけど・・うちのミルフィ隊長みたいに金持ちじゃないから無理!」
「飼おうと思っていたのかよっ・・」

エールの言葉に、スフィーダが呆れる。それを聞いていたリューズが、思案する。

「そうだねえ。なら、素直に警備隊に引き渡そうよ。これくらいの小さい竜なら、なんとかするでしょう?」
「それしか、ないかぁ・・」

エールが納得すると、小さなドラゴンと共に村まで戻る一行であった。

「そういえば、レポート・・」

エールがつぶやいた。

「言うな。言わないで!・・思い出したじゃないか!」
「ははは・・まぁ次があるさ!」
「だよねー!」

頭を抱えるリューズに、スフィーダとエールは他人事のように、笑うのであった・・。



(0話 終わり)


CSNG目次へ