DD緑盾団リプレイ
ドラゴンランス:緑盾団の軌跡
第12話「イシュタルの鮮血海」
PCメンバー「グリーンシールド(緑盾)団」(平均LV12 今回ラオは欠席)
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シエロ・パラツォピオベ (TERA) |
ヒューマン:ソラムニアの従士 ローグ3 モンク7 ウォーロック・へクスブレード2 |
AC17 HP75 受動知覚17 |
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プリンス (てまだ) |
ヒューマン(上位魔法の塔の魔導士:ヌイタリ) ソーサラー2 ウィザード6 ウォーロック2 ファイター2 |
AC15(16) hp68 受動知覚11 |
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ライストメン (NOMU) |
ウッドエルフ:犯罪者(活動家) バーバリアン(トーテム)12 |
AC18 hp148 受動知覚15 |
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グローサー・ハークン (TAO) |
ヒューマン:海賊 ファイター1 クレリック1 アーティフィサー10 |
AC19 hp87 受動知覚15 |
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ラオ・ウィロー (ごしま) |
ヒューマン:隠者 ソーサラー9/クレリック2 |
AC20 hp81 受動知覚11 |
★その他のNPC
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アルハナ王女 本名アルハナ・スターブリーズ。シルヴァネスティエルフの王女で、ロラックの一人娘。混乱する故郷を救ってほしいと、カラマンにグリフォンで単騎やってきた。 |
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ロラック シルヴァネスティ・エルフ王(星の評議長)。かつて黒魔導士からオーブの使用法を教わり、それをシルヴァネスティへ持ち帰った。だが最近彼は「永遠の眠り」とも言われる玉座から決して起きず、呪われた身体になっている。そしてその呪いは、シルヴァネスティ全土を覆っていた。 |
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ベレム 胸に緑の石が埋め込まれた無口の男。なぜかドラゴン軍が総力をあげて捜索している。 |
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トード 元はヒューマスターとしてソレース占領を指揮したホブゴブリン。いつのまにかドラゴン卿に。ただし騎乗する竜はまだない。 |
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バカリス かつてのカラマン貴族だったが、父とともにドラゴン軍に寝返った。緑盾団によって倒されたかに見えたが、青竜副司令官として仕える身に転属していた。 |
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マクウェスタ・カル・ソン 海賊船ペレチョン号の船長。フロットサムにて緑盾団を乗せる事に。 |
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ゼビュラ イシュタルの海中で暮らす、元赤ローブの魔法使いの人間。 |
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アポレッタ シーエルフ(ダルゴネスティ)の女王。ゼビュラの妻でもある。記憶を失くせる魔法を使える。 |
■大いなる決断

前回、ロラック王の長い悪夢からシルヴァネスティを救った緑の盾団!
ロラック王は、この悪夢の原因となったドラゴンオーブの処置を、「ドラゴンランスの英雄」たる緑の盾団に託した。
オーブを使う事で、ドラゴンを操るという噂もあるほどの力が手に入る。
ドラゴン軍が闊歩するこの世界では必要な力ではあった。
だが・・・
「いや、これ見るからにヤバイですよ」
「悪夢にうなされたよねぇ・・」
と、ロラック王の惨状を目の当たりにした緑盾団の決断は・・
「オーブを割る」
であったw ただし破片は悪用されぬよう、自分たちで持ち帰ることにした。
アルハナ王女とロラック王は礼を言い、一緒にドラゴン軍と戦う約束をした。アルハナ王女は、さっそくクオリネスティ・エルフののいる東のクオリモリへ向かって立つことに。まずはエルフ同士の争いを止めるためであった。噂によると、クオリネスティ・エルフの次期王ポルシオスとの婚約があるかららしい。
■海路へ
ようやく故郷のカラマンへ帰ろうと思った一行だったが、そう思うようにはいかないようだった。
ここにやってきた時に飛行竜ドラコネルとともにこの森へ不時着したが、その時置いてきたドラコネルらは、悪夢の影響で周囲の自我で荒れた植物クリーチャーら(トレントやドライアド)に殺されてしまったようなのだ。それは一緒に来たアルハナ王女の愛馬のグリフォンも同様であった。

空の足を失った緑盾団は、エルフらの助言で、バリフォール湾を渡ってフロットサムまで陸路に行き、そこから船で北方の海に出てカラマンへという海路がいいだろうという話になった。
実際、陸路ではドラゴン軍の中枢であるクール付近を通るので危険なのだ。
一方のフロットサムはどの国家にも属さない中立都市であった。実際は海賊たちの根城でもあるようだ・・ただし、5年前のエルフの情報なので、頼りにはならないが、それでも陸路よりはマシであった。
■バリフォール湾の大海戦
海路をとることにした緑の盾団。だが目の前のバリフォール湾は未だにドラゴン軍の船がよく現れていた。そこで再起したシルヴァネスティのエルフらは、かねてより救援を求めていたバリフォールの隣のケンダー卿のケンダーたちとともに、まずはこのバリフォール湾の制海権を得るために、ドラゴン海軍に対し艦隊で挑むことになった。

大海戦の開始だ!エルフらとともに船で戦う緑盾団。さっそく敵ドラコニアンらがラムアタックで乗り込んできた!

第二波は、自ら飛べる大型のシヴァクドラコニアンがやってくる!

さすがに魔法で一掃は出来ず、接近戦に!

そしてしまいには、ヤングブルードラゴンが!だが12レベルになった一行にはもはや敵ではなかった。
エルフと緑盾団たちが海戦を展開している間、陸ではケンダーらが補給を断ってくれた(正確には、食糧庫や武器庫を盗んだ)おかげで、この戦いは大勝利に終わった。貴重なドラゴン軍への反旗の第一歩となったのは、実に歴史的な出来事であった。
■フロットサムへ
そのまま緑盾団はエルフ軍勢と別れ、さらに北岸のフロットサムへ。新たな情報によれば、もはやここは敵領地であり、聞けば新たなドラゴン卿の本拠らしいという。慎重に侵入する必要があった。

だが通りで、さっそく人間の鍛冶屋の主人をいじめているドラコニアン集団に出くわす。
どうやら鍛冶屋の依頼した鎧が人間用なのだが、ドラコニアン用でないのか?といちゃもんつけて、ただで俺たちの鎧を作れと文句を言っているようだ。
鍛冶屋「ええ、でも人間用のプレート4着との事ですが~」
ドラコニアン「うるせぃ!つべこべいわずにドラコニアン用も作れや!」
これはさすがに見過ごせないと、鍛冶屋を助ける緑盾団。
ドラコニアンを追っ払うと、不要になった人間用の鎧をくれた。・・ドラゴン軍の士官の鎧で、フルフェイスで顔を隠せるので・・これは侵入するにはもってこいだった!色は青2着と黒2着の二色があった。どうやらそれぞれの軍属らしいので・・シエロ(TERA)は黒、グローサー(TAO)とプリンス(てまだ)が青士官プレートを着用。ライストメン(NOMU)はシエロの従者として振る舞うことになった。

ドラゴン軍士官プレートメイル
なお鍛冶屋の親父から、現在フロットサムはトードという豚みたいなホブゴブリンがブラックドラゴン卿として君臨しているという。(ただし、今は竜なし卿とあだ名されているらしいが・・)
■海賊との交渉
まずは船を確保するため、港へ。

出会ったのは、マクウェスタ・カル・ソン女船長率いるペレチョン号であった。酒場でプリンスが彼女と交渉し、かなり破格の大金を積んだおかげで、いつでも言ってくれれば、とりあえず北の町ジャキムまで連れてやるという。
■変装~新司令官トード
さて変装した盾団。さっそく敵情視察として、フロットサムの宮殿へ。
ドラコニアン卿トードと副官の魔法使いドラコニアン、ギルデンタングに謁見する。
トードは数か月前まで、ヒューマスター(異種族ゴブリンやオーガのまとめ役)に過ぎなかったが、いつのまにかドラゴン卿まで上り詰めたのだった。


トード「もうすぐ青の副官が来る予定だったが、もう青の士官が来たのか?・・やけに早い到着だな?」
グローサー「いや、単なる道案内でして」
プリンス「・・ここの黒士官どのと一緒に来ました。」
シエロ「そうでございます。トード閣下!」
なんとかこの「はったり」が通ったようだ。それから青士官のグローサーとプリンスは青士官の控え部屋に案内され、黒士官のシエロはそのままここの見張りと交代せよと命令された。
・・おかげで、シエロはこのトードと副官の会話が十分聞けるのだった。
トード「ここまで焦って早く来るとは・・青竜軍が何かを探しているようだな。やはりドラゴンオーブかぁ?キティアラめ。」
副官「あの女。皇帝陛下との覚えがよいのを良いことに。目ざわりですな。」
トード「ようし、先回りしてやる。おいそこの者。おまえだ!」
シエロ「・・わ、私ですか?」
トード「イシュタル海にあるドラゴンオーブを先に見つけよ!もちろん船は我が名において接収して使っても構わん!どうせ海賊たちの船だ。」
シエロ「・・ははっ!」
■意外な再会
一方、青竜軍の控えの間に入ったプリンスとグローサー。だがそこには見知った男が・・なんと、北方の遠征途中で会ったダークエルフのダラマールだった!

ダラマールはドラゴン軍に加入したというよりは、その魔法知識のために単に雇われたらしいが・・
だがしばらくすると、「青竜軍副司令官」が入ってきた。驚いたのは、その正体であった。ヘルメットをとったその顔は・・

あの、死んだと思われていた元カラマン貴族の息子、小バカリスだったのだ!
父親と共にカラマンを裏切って、浮上都市の攻防で赤竜軍として戦った後、墜落したかに見えたが・・今や青竜軍の副司令官になっていたとは!
ダラマール「お早い到着ですな。バカリス殿」
バカリス「ふん、ドラゴンはさすがに速いさ。ドラコネルとは比べものにならん。」
ダラマール「ところで、ここのドラゴン卿殿は、我々がオーブ探しに来たと誤解しておるようですが」
バカリス「はは、引っかかったな。あの豚め。我々の当の目的は、緑の石の男の捜索だというのに」
ダラマール「ま、当分はオーブ探しに躍起になってもらいましょう。緑の石は魔法が強いはずですので、このあたりを探せばすぐ見つかるでしょう」
バカリス「さすがキティアラ様だ。味方をも欺くとは。もっともあの豚は最初から味方とは思ってないがな・・そうそう、そのキティアラ様が明日にはここへ到着なされる。タルシスを落としてまだ数週間なのに、縦横無尽な事だ。」
グローサーとプリンスは、驚きながらも聞いていた。
・・キティアラというのが、どうやら敵の青竜軍のドラゴン卿らしい。それも女性であり、話からするに謀略もこなすかなり手ごわい相手に違いない。
さすがにキティアラが来るとなると、急ぎ船でここを出たほうが良さそうだった!バレるのは時間の問題だからだ。
■出航~緑の石の男

急いで緑盾団は変装を解いてここを出ようと港へ向かう。
ペレチョン号へは翌朝まだ日が出ていない頃合いで静かに出航するように船長に言った。

マクウェスタ船長は、操舵手の男に船を出すよう命令する。その操舵手は、胸に不思議な緑色に光る石を埋め込んでいた・・こ、これは!
だが、話しかけても男は無口のままだ・・。それを見て、マクウェスタ船長が説明する。
マクウェスタ船長「そいつはしゃべんないよ。ずっとこうさ。海に浮かんで板の上で漂流していたのを拾ったのさ。珍しいだろ?その緑の石。まぁ自分はバラして取るほど悪辣じゃないからね。操舵の知識はありそうだったんで、任せているってわけさ」
思わぬ出会いに、ただ驚く緑盾団であった。一体なぜバカリスたちは、この男を探していたのだろうか?ともかくこの男がなんらかの秘密があるのは確かであった。
■イシュタルの呪い~海難~
イシュタルは呪いの海とも呼ばれる。真っ赤な色は確かに不気味であり、「鮮血海」の名は伊達ではなかった。だが本当の呪いは、生物たちが巨大化しており、しばしば船を襲うので有名だからだ!

さっそく、巨大タコ軍団に襲われるペレチョン号! さすがに緑盾団が追っ払う

だがその夕方にやってきたクラーケンは、さすがのPCたちにはどうしようもなかった!
船は船体真っ二つに折れ、乗組員は全員海へ投げ出された!緑盾団も例外ではなかった!
不幸にも、マクウェスタ船長は折れたマストが胴体に刺さり、絶命してしまう!
PCたちも、全員深い海へ溺れてしまうのであった・・!そして全員・・意識が遠のく!
■海の中の夫婦

目覚めると・・見知らぬ天井が・・。ここはなにやら洞窟のようだった!?
やがて、赤いローブ・・明らかに魔法使いだが、それを着た男が声をかける。

「気が付いたかね?ここは、いわばイシュタルの海の底だ。まぁ助けるのが我々の仕事とも言えるがね。」
この男の名は、ゼビュラという、確かに以前は地上にいた赤ローブの魔法使いだという。

その傍らにいたのは・・なんと指先にヒレがあるエルフ・・珍しいシーエルフ(ダルゴネスティ)の女性だった!
彼女はゼビュラの妻で、名をアポレッタという。しかもダルゴネスティの女王であった!
ゼビュラが語るには、アポレッタと結婚して以来、ずっとこのイシュタル海で難破する人々を出来るだけ助けては帰すという。
「ただし、その際は記憶を消してもらう。ここが知られては、都合が悪いからな」とゼビュラ。
彼は落としたPCたちの荷物も集めてくれた。その中で、ドラゴンオーブの欠片とドラゴンランスを持っていると知ったゼビュラは、あとで見せたいものがあるという。
■緑の石の男の秘密
生きていたのは、PCだけでなく、あの緑の石の操舵手も生きていた。無口だったその男が、突然口を開く。
「結局・・また死ねなかった・・・」
「キエエエシャベッター!」
この緑の石の男・・本来は話せるらしい!話せないと装う事で、余計な詮索されずに済んでいたからだという。過去に記憶が定かではなく、手がかりは名をべレムということと、その特徴的な緑の石だけであった。そして奇妙な点は、「自分は決して死ねない男」だという・・。
覚えている限りの記憶は、トルバルディンのドワーフ洞窟で「発掘」されて見つかったという事と、そこでずっと囚人として捕らわれていたが、ひょんなときに連れ出され、そこから一人脱して海でここまでたどり着いた事だった。なぜドラゴン軍が自分を欲しているかは知らないらしい・・・なんとも不思議な男であった
■イシュタルの秘密
約束どおり、ゼビュラは一行を奥の宝物庫らしき場所へ案内し、「見せたいもの」を見せる。
それは、2つのドラゴンオーブの欠片であった!ゼビュラが海中で見つけたのを集め、自ら割って壊したのであった。
ゼビュラ「そう、これは悪しきものさ。良いのもあるが、悪用すれば同じ事。恐ろしい力があるのは確かだ。そもそもここはただの海ではない。イシュタルはかつての人間の帝国の首都だった。それが神々の怒りに触れて水中に沈んだのだ。このオーブもその人間の魔法使いらが作った、危険な代物だ」
といって、硝子ばりに水中に広がる景色を見ろという。そこは・・

なんと、海底に都市がひっそりと眠っていたのだ。ここが、かつてのイシュタルの首都だったのは間違いない。
ゼビュラを信用した緑盾団は、持っていた緑のドラゴンオーブの欠片を、彼に預けた。少なくとも海の底ならば、誰も悪用されることはないだろうとみたのだ。
その姿勢に感謝したゼビュラは、お礼にいくつかこの海底都市を漁って、珍しいマジックアイテムがあったら持って行ってもよいという。イシュタルは現代よりはるかに進んだ文明を持っていたので、恐らくなにか役立つものがあるであろうからだ。

この提案を断るはずもなくw まずは海底にいる巨大シャークらを一掃するのであった!
こうして、ベリーレアほどのマジックアイテムを水中で手に入れた緑盾団は、アボレッタの儀式で自らの身体に、鰓呼吸できるようにしてくれた・・つまり、ここから泳いで帰れるということらしい!
べレムはここで残る手もあったが・・緑石の強い魔力が発しているので、ここがばれるよりはカラマンに一緒に連れていくことになった。

こうして、ようやくカラマンの帰路についた緑盾団。実に不思議な旅であった・・
もちろん、アポレッタの魔法によってこの海中の場所の記憶は失われたかに見えたが、緑盾団の何人かはセーブに成功してしまっていた・・(つづく)
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